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発見!おもしろ学校ホームページ

このコーナーでは、「キッズわんだーらいぶらりー」が推薦(すいせん)する面白くて、ためになる学校ホームページを紹介(しょうかい)していきます。スタッフが学校を訪問(ほうもん)、ホームページの制作の仕方やヒミツやなどを取材して報告するよ。

鳥取県湯梨浜町立泊小学校

鳥取県東伯郡湯梨浜町泊280番地
TEL 0858-34-2692

 


ひとつの興味・関心が大きな広がりを生む
〜『メディアポスト2007』文部科学大臣奨励賞 受賞校をたずねて〜


こんにちは、マリコです。今回は、『メディアポスト2007−小中学校を対象にした子どもたちの学習成果発表コンテスト』の小学校部門において、みごと文部科学大臣奨励賞(もんぶかがくだいじんしょうれいしょう)を受賞した鳥取県の湯梨浜町立泊小学校(ゆりはまちょうりつ・とまり・しょうがっこう)を訪問(ほうもん)しました。

 

賞状を受け取る清水くん
◇賞状を受け取る清水くん
文部科学大臣奨励賞の賞状を手に〜左から浜根二三雄(はまねふみお)校長先生、清水くん、谷田健司(たにだけんじ)先生
◇文部科学大臣奨励賞の賞状を手に〜左から浜根二三雄(はまねふみお)校長先生、清水くん、谷田健司(たにだけんじ)先生
受賞作品「こちら、よくし隊 -泊支部-」のホームページ
◇文部科学大臣奨励賞受賞作品「こちら、よくし隊 -泊支部-」のホームページ

 

「潮風(しおかぜ)の丘(おか)とまり」にある巨大(きょだい)な風力発電機。そばにはグラウンド・ゴルフ場も。
◇「潮風(しおかぜ)の丘(おか)とまり」にある巨大(きょだい)な風力発電機。そばにはグラウンド・ゴルフ場も。

鳥取県湯梨浜町立泊小学校
◇鳥取県湯梨浜町立泊小学校

泊小学校ホームページ
◇泊小学校ホームページ

鳥取県のほぼ中央、日本海に面する港町「泊(とまり)」。そんな美しい景観を望む「潮風(しおかぜ)の丘(おか)とまり」にはグラウンド・ゴルフ場があり、巨大(きょだい)な風車が風をうけて回っています。とっても大きな風車にマリコもビックリ!
中腹(ちゅうふく)に降(お)りると、目指す泊小学校が見えてきました。

学校に到着(とうちゃく)すると、浜根(はまね)校長先生が笑顔で迎(むか)えてくれました。今回訪問(ほうもん)した目的のひとつは、清水くんと先生に賞状を手渡(てわた)すこと。びっくりしたのは、その様子を地元の新聞社の記者さんやケーブルテレビのカメラマンさんが取材に来ていたことです。さすがのマリコも、ちょっと緊張(きんちょう)しちゃった。

さて、受賞作品「こちら、よくし隊〜泊支部〜」は、清水くんが地元の町に残る伝統的は踊(おど)り「泊貝がら節(とまりかいがらぶし)」との出会いを通して、「なんでかな?」「知りたい」という思いを広げながら、調べたり体験した活動の様子をホームページにまとめた作品です。「4年しおかぜB組」の児童は、清水くんひとり。それだけに、最初は、先生と二人三脚(ににんさんきゃく)で取り組みが始まりました。それがいつしか、清水くんがたくさんのお友だちを引っ張りながら、「貝がら節研究クラブ」の発足に広がり、現在は海をきれいにするワカメを実際に養殖(ようしょく)する研究にまで発展(はってん)しています!


清水くんと先生にインタビュー


清水くん
◇清水くん
清水くんと谷田先生
◇清水くんと谷田先生
谷田先生
◇谷田先生

受賞の知らせを聞いて「とってもうれしかった」と清水くん。「お母さんがお祝いの鯛(たい)ごはんをつくってくれたり、おばあちゃんからもごほうびをもらったよ」とその喜びを話してくれました。
そんな清水くんが好きなのは、図工。「絵をかいたり、牛乳(ぎゅうにゅう)パックで車や船を作ったり、電気を使った工作も大好き」と答えるように、自分で創造(そうぞう)して何かをつくりだすのが得意なのね。だからマリコとちがって、ふだんはあまりテレビも見ないんだって。マリコも見習わなきゃ。

先生によると、たとえばメダカを飼(か)う時には図書館に行って資料を集めて調べるなど、興味を持ったことには全力で取り組む性格なんだとか。その姿勢(しせい)は受賞作品にも表れていて、「泊貝がら節を知っていますか?」というアンケート調査の時は、なんと177人もの町の人たちに聞きまわったほど。それも放課後だけでは足らず、休日に家族といっしょにまわったこともあったんだって。

 


きっかけは「泊貝がら節」


泊漁港そばのみなと広場にあるイタヤ貝の石像(せきぞう)
◇泊漁港そばのみなと広場にあるイタヤ貝の石像(せきぞう)

イタヤ貝で作ったヒラメの置物(地元魚のカレイをイメージ)
◇イタヤ貝で作ったヒラメの置物(地元魚のヒラメをイメージ)

きっかけは清水くんが昨年の運動会で踊(おど)った「泊貝がら節」。「『泊貝がら節』とはどういう歌なのか、泊とどんな関係があるのか、なぜだろう?知りたい!という清水くんの思いからスタートしました」と谷田先生。
「貝がら節の踊りは楽しいです」と笑う清水くん。校長先生によれば、クラスでの発表はもちろん、湯梨浜芸能大会やグラウンド・ゴルフ発祥(はっしょう)の地大会など、学校でいちばん踊っていますよ、とのこと。

大変だったのは、みんなの前での発表。「緊張(きんちょう)するとなぜか笑ってしまう」と清水くん。それでも何度も何度も練習し、みんなの前でも大きな声で上手に発表できるようになりましたと先生。

昔の漁では手こぎの船の上から30〜40メートル下の海底からイタヤ貝をとるために「ジョレン」という道具を人の力で引っ張りあげていました。そこで、清水くんも実際に校舎の外階段(そとかいだん)の3階からジョレンを引っ張り上げることにチャレンジ!
しかし、予想以上に重く、持ち上がりません。「生まれてはじめて手にマメができました。家に帰って、お風呂のお湯に手をつけた時、生け花用の針(はり)の板がささったようにチクチク痛(いた)かった」とその時の思い出を話してくれました。
また、「貝がら節研究クラブ」を発足することになり、リーダーの清水くんはクラブのみんなに今まで学んだことを教えたり、協力をお願いすることも多くなりました。その時の気持ちをたずねると、「いっしょに活動する仲間が増えてうれしかった。みんなの協力も心強かった」と本当にうれしそう。


ワカメを養殖(ようしょく)する港へ


海の中をのぞきこむ清水くんと先生
◇海の中をのぞきこむ清水くんと先生

成長記録観察用のワカメ。ロープを持ち上げると大きく成長したワカメがこんなに!
◇成長記録観察用のワカメ。ロープを持ち上げると大きく成長したワカメがこんなに!

インタビューのあと、清水くん、校長先生、谷田先生の3人に連れられて実際にワカメを育てている泊漁港(とまり・ぎょこう)へ向かいました。岸のいちばん手前には成長記録を観察しているワカメが養殖されています。大きく成長していて持ち上げるのも大変!

続いて、防波堤(ぼうはてい)を歩いて先端(せんたん)付近に養殖されたワカメを見に行きました。こちらは、ワカメを養殖する際に、漁港の人たちがダイバーとして潜(もぐ)り、流されないように約50メートルのロープを固定してくれたのだそうです。その甲斐(かい)もあってか、わずか2カ月あまりでワカメは平均1メートル50センチを超(こ)えるまでに成長しているそうです。

「漁港の人たちも泊でワカメを養殖するのは初めてとの事でしたが、うまく成長しているようです」と谷田先生。
マリコも海に落ちないように気をつけてのぞいてみました。本当に太くて大きくて立派なワカメ! きっと食べたらおいしいだろうな〜!

防波堤を歩いてワカメの養殖場へ。ロープには大きく成長したワカメがびっしり!

◇防波堤を歩いてワカメの養殖場へ。ロープには大きく成長したワカメがびっしり!

 


今後の活動について


廊下(ろうか)に貼(は)り出されているワカメの成長観察日記。毎週火曜、港で観察を続けている。「ワカメは乾(かわ)くときれいな緑になります」と清水くん。
◇廊下(ろうか)に貼(は)り出されているワカメの成長観察日記。毎週火曜、港で観察を続けている。「ワカメは乾(かわ)くときれいな緑になります」と清水くん。

最後に、今後はどんな活動へとつなげていくのか、先生に聞いてみました。 「3学期は泊漁港に養殖しているワカメの成長を清水くんが毎週観察してきました。そして、この3月の終わりにワカメを刈(か)り取るので、それを「ワカメ祭り」にしようと3、4年生10人で計画しています。清水くんはその中で総まとめの立場に立って、その他の児童たちは、ワカメの販売(はんばい)、味噌汁(みそしる)づくり、ワカメ祭りのチラシ作り、ワカメの長さくらべコンテストという4つのグループに分けて、現在準備を進めているところです」

また、「清水くんは4月から5年生になり、また新たなテーマを探っていくことになるので、ワカメの養殖は次の下級生が引き継(つ)いでくれたらいいと思います。泊貝がら節のこともまだまだわからないことも多いので、貝がら節研究クラブを中心に地域(ちいき)のお年寄りのみなさんにも協力(きょうりょく)していただきながら研究を続けていければ、もっと発展(はってん)していくのでは」と期待をこめて語ってくれました。

 

* * * *

きれいな海と山々―――、高いビルに囲まれた都会生活をしている人たちから見れば、泊の町はとっても豊かな自然に恵(めぐ)まれているように感じます。でも、「今はあまり見ないけど、小さいころは港に小さなタコがたくさんいたよ」と語る清水くんも実感するように、その変化は地元の人たちにとっては切実なんだとマリコは思いました。
その意味で、今回の作品づくりを通して子どもたちや地域の人たちが感じたこと、つちかったことが、今後の泊の町をより良く支えていくことを願っています。そして同じように、ホームページを通じて、そのメッセージがより多くの人たちの心にも届(とど)くことを期待したいですね。

 


【取材後記】
地域(ちいき)の人たちの協力があってこそ

こうした清水くんとの作品づくりには、実は谷田先生の人知れない苦労がありました。本作品のテーマを掘り下げて学習していくには「総合的な学習の時間」だけでは時間が足りません。そこで、他の教科と関連性を持たせる複合的な取り組み手法により実現しています。
社会科の2学期の単元は、<地域の昔のくらし>、<先人の苦労>、<残したいこと>の3つ。それを作品づくりの過程で実現するために、昔の生活の様子を資料館で聞いて、町の人たちに貝がら節の昔の話を学んで、残したいものを鳥取環境大学(とっとりかんきょうだいがく)で研究発表するという、ひとつの大きなつくりで考えるようにしました。つまり、清水くんに合った柔軟(じゅうなん)なカリキュラムを作りあげたのです。
 「他にも環境大学用の報告書を作ることを国語の単元に当てはめたりしながら時間をやりくりしました」と先生がいうように、時間に限りがある中でこれだけ実践的(じっせんてき)な活動を行うには、それを踏まえた計画が必要だったと想像できます。
しかし、先生自身があらためて学んだこともありました。それは地域やいろんな人たちのやさしさです。「たとえば、私たちは海をきれいにすればイタヤ貝が育つと思っていましたが、栽培漁業(さいばいぎょぎょう)センターさんから、イタヤ貝が発生しない原因を探っていった方が近道だよとアドバイスをもらったり、隠岐(おき)の島で養殖している方から、生きたイタヤ貝を送ってもらったりと、さまざまな人たちの協力があってこそ実現した授業なのです」
そればかりでなく、泊漁港の所長さんには「ぜひ、子どもたちに海の良さを教えてほしい」と頭まで下げられたという微笑ましいエピソードもあったそうです。