
こんにちは、ハルカ先生です。みんなは大人になったら、どんな仕事につきたいかな?
プロ野球選手、弁護士(べんごし)、銀行員、ラーメン屋さん、美容師(びようし)、看護士(かんごし)・・・
そう、世の中にはいろいろな仕事があるけど、一体どんなことをしているんだろう?
ここでは、じっさいに働く大人の人にインタビューして、その仕事の内容や「やりがい」、「よろこび」、「たいへんなところ」などを紹介(しょうかい)していくわよ。
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正しい食事のとりかたを身につけさせたい
町野さんは東京都練馬区にある小学校の学校栄養士として、一日700食近い給食づくりにたずさわっています。どんな仕事をしているか教えてください。

町野 忠彦(まちの・ただひこ)さん
■学校栄養士の仕事について
学校栄養士としての私の仕事は、まず、給食の献立(こんだて)を考えることから始まります。それにはバランスのとれた食事を提供することはもちろん、どんな食材をどこで購入するかを決め、予算も考えなくてはいけません。また、給食をつくる調理員さんにどのような手順でつくるのかを指導したり、調理するときの衛生面(えいせいめん)に気をくばったりすることも必要です。
それから、学校給食は、食事という生きた教材をとおして、正しい食事のありかたや人とのつながりを学ぶ場でもあります。ですから、子どもたちがそれを理解するように指導することも大切な仕事の1つになります。
たとえば、毎日、給食をとる子どもたちの様子を観察(かんさつ)して、食事のとりかたや好き嫌いのある子がいるかをチェックしたり、食に関する理解を深めるために、献立(こんだて)の内容を「一口メモ」にして先生に話してもらうようにしたり。時には、とうもろこしなど実際の食材を見せながら、産地や栄養、成長の仕方などを教えることもあります。
なるほど。そこには子どもたちへのどんな思いがこめられているのでしょうか?
■子どもたちの味覚(みかく)の幅を広げたい
子どもたちが給食を食べる様子をチェックするのも、学校栄養士のたいせつな仕事。個人的には子どもたちに味覚(みかく)の幅を広げてあげることが大切な仕事だと思っています。というのは、1つには家庭で食べられる料理の幅がせまくなっていることもあり、食べたことのない料理や味覚を体験させて、いろいろなものが食べられる幸せを感じてほしいという思いがあるからです。
具体的には、苦みとか、すっぱいと感じる食事も食べられるようにすること。たとえば、苦みという味覚をおぼえるために、月1回は魚のめざしを出しています。子どもたちが入学するのは6歳。苦手な子も少しずつでもいいから食べてもらい、卒業するまでには食べられるようになればと考えています。
では、ふだんの仕事で心がけていることは、なんですか?
私が心がけているのは、主食であるお米に、魚、やさい、海藻(かいそう)を組みあわせる日本の伝統食(でんとうしょく)を守った献立をたて、それを伝えていくことです。それには食文化として、旬(しゅん)の素材を使った季節感のある給食にすることにもこだわっています。また、肉や油のとりすぎにも注意し、小魚など、よく噛(か)まないと食べられない料理をかならず入れるようにしています。
それから食材としては、子どもたちにより安全な食材を使うためにも地元の農産物や産直(さんちょく)やさいを積極的に取り入れています。作り手の顔が見えることで安心や信頼がもてますし、なによりも新鮮(しんせん)さが違いますから。
日本の食文化を伝えようと、季節の節目(ふしめ)や行事ごとにユニークなメニューをつくっていると聞きましたが。
はい。いくつか紹介しましょう。
節分(せつぶん)の日のメニュー「鬼の金棒(かなぼう)」は、スティックパンにチョコレートをコーティングし、その表面に節分(せつぶん)らしく大豆(だいず)をトッピングしました。また、七夕(たなばた)の日には、そうめんの上に天の川をイメージしたやさいをトッピングしました。ハロウィンには、スイカをくり抜いておばけづくり。中身はフルーツポンチのデザートに。
それから、子どもたちが楽しみにしているクリスマスには、ポテトサラダの山に、星型のニンジンやトマト、カリフラワーなどでデコレーションしたツリーをつくりました。
すごい。しかも、どれもおいしそうなものばかりですね。季節の行事を大切にしたこんなすばらしい給食があるなんて、子どもたちがうらやましくなります。
では、そんな町野さんが栄養士になろうと思ったのはなぜですか?
■栄養士になった理由
高校生のとき、病気を改善(かいぜん)するために用(もち)いられる「食事療法(しょくじりょうほう)」というのがあるのを知り、興味をもったのがきっかけです。つまり、健康な生活をおくるためには、ふだんからの正しい食事が基本になることを学び、それをみんなに伝える仕事につきたいと考えるようになりました。
それで、調べてみると栄養士という職業があることを知り、その資格(しかく)をとるための専門の学校に通うことになりました。
栄養士の資格をとるためには、以下の方法があります。また、国家試験に合格した人に与えられる管理栄養士(かんりえいようし)という資格もあります。
さらに、最近では食育(しょくいく)を重視する背景から、子どもたちに正しい食事のとりかたなどを指導する専門の教員として、「栄養教諭」が新たにつくられました。これから、学校栄養士になりたいと考えている人は、こちらを目指すのもいいかもしれませんね。
鬼の金棒(かなぼう)
七夕(たなばた)そうめん
スイカをくり抜いてハロウィンのおばけづくり。中にろうそくを入れて明かりをつけるなど、本格的です。
スイカパンチ
ポテトサラダのツリー

どんな人が栄養士に向いていると思いますか?
まず、食べることが好きな人。それが食への興味や関心につながると思うからです。また、食は自然の恵みでもたらされるものですから、自然や環境を大切にする気持ちも欠かせません。それから、学校栄養士になるなら、子どもと話すのが好きな人が向いていると思います。
■子どもの笑顔がよろこび
仕事でたいへんなところや、やりがいについて聞かせてください。
食べ物は直接口に入れるものですから、ぜったいに安全な食品を提供することが第一です。そのためにも化学調味料(かがくちょうみりょう)などはいっさい使わない、本物の味を伝える努力をしています。
仕事のやりがいとしては、食べ物の好き嫌いの多い子が、「これ食べられたよ!」といって笑顔で話してくれたときは、やっぱりうれしいものです。子どもたちにおいしい食事を用意するだけではなく、嫌いな料理になれさせて食べられるようにすることも学校給食の重要な目的の1つですから。そうした瞬間に出会えるよろこびは大きいですね。
最後に、子どもたちにメッセージを。
わたしたち人間は、命のあるものを食し、生かされているということをしっかり頭に入れて、食事と向きあってほしいですね。
好きなものを好きなだけ食べるという食習慣(しょくしゅうかん)を続けていては、将来健康を損(そこ)ねる可能性が高くなります。これは、大人になってからではなかなか変えられないものです。
だからこそ、今から正しい食事のとりかたを身につけることが大事だと思います。未来が元気になるように、みなさんも食への意識を高めてください。
ハルカ先生からみんなへのおねがい。今回のインタビューを読んで、何か意見や質問があったら、お問い合わせフォームからメールを送ってね。それでは、次回はどんな仕事に出会えるか楽しみにしていてね!












